海外のサイトに登録して、在宅でできる翻訳の求人を探す方法

以前の記事でも少し書きましたが、翻訳者が仕事を探す場合、翻訳者向けの登録サイトというものを利用できます。

登録すると、翻訳業界の求人ばかりが集まるサイトで自分に合った仕事を探したり、翻訳者を必要としている企業からのヘッドハンティングを待つことができます。

以前の記事では日本のサイトを中心に紹介しましたが、海外にも同様のサイトはあります。そこで、今回は海外の翻訳者向け登録サイトを利用するメリットやデメリット、海外の翻訳会社と取引する場合の注意点などについて書いてみたいと思います。

海外の翻訳者向け登録サイトには、どんなサイトがあるか

海外にはいろいろな翻訳者向け登録サイトがあるようです。私が知るなかでおそらく最も規模が大きいと思われるのがProz.com、そしてその次にTranslatorsCafe.comです。

Proz.comは、1999年からあるサイトとのことですが、公式サイトの情報(About Proz.com)によると、この記事の作成時点で885,541人の登録ユーザーがいるとのことです。

このProz.comについては、フリーランスになってから私も登録して利用しています。このサイト経由で海外の翻訳会社に登録し、実際に仕事の依頼を受けたりしたこともあります。

そういうわけで、その体験も交えつつ以降の内容を書きたいと思います。

海外の翻訳者向け登録サイトを利用するメリット

海外の翻訳者向け登録サイトについての私の知識は、そういうサイトがあって、それを利用して翻訳の仕事をしている人がいるらしい、という程度のかなり薄いものでしたが、登録して利用してみるといろいろな体験をしました。

メリットもあればデメリットもありましたが、主なところを書いてみたいと思います。

ちなみに、やりとりはすべて基本的に英語になりますが、大部分はメールやSkypeなどのテキストベースがほとんどです。

なので、英語以外を専門にしていて、英語のやりとりは苦手という人でもある程度大丈夫なのではないかと思います。

メリット1:案件数が多い

国際市場の案件があるわけなので、案件数がすごく多いです。掲載されている案件も多ければ、プロフィールを登録しておくと送られてくるメールも多いです。

そして、初めて登録して印象的だったのは、英語以外の言語の案件がたくさんあったことです。

日本では日英、英日の翻訳の需要が多く、それ以外の言語は比較的少ないイメージがあります。

しかし、Proz.comに登録して思ったのは、英語以外の言語の案件の多さでした。

なので、たとえば中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、タイ語…など、英語以外を専門にする人にとってはチャンスが増えるのかも、と思ったりします。

メリット2:会員価格の特典が多い

別の記事で、日本の翻訳者向け登録サイトには特典があることを以前に書きましたが、これは海外のサイトにもあります。

翻訳支援ツールの割引が多いですが、これはツールをよく使う翻訳分野の人にとっては助かるかもしれません。

たまにまったく聞いたことがない、新しい翻訳支援ツールのプロモーションなども送られてくるので、新しいツールの情報を得るのにも役立つかもしれません。

海外の翻訳者向け登録サイトを利用するデメリット

デメリットというか、対応が必要なことだったり、準備が必要なことだったりするのかもしれませんが、こちらも主なところを書いてみたいと思います。

デメリット1:単価がものすごく幅広い

場合によってはこれはメリットにもなると思いますが、単価が高い案件もあれば、そうでない案件もあります。

もしスカウトメールのようなものが送られてきて、「とりあえずトライアルを受けてほしい」と言われたら、まずは単価の確認をするのがオススメです。

トライアルを受けて合格しても、普段よりも大幅に低い単価だったりすると、登録してもメリットはないでしょう。

登録できない単価であれば、トライアル自体を受けないほうが、双方にとって良いと思います。

でも逆に、普段よりも高い単価だったらチャンスかもしれません。単価が高そうな会社を調べてトライアルを受けてみるという作戦もあるのかもしれません。

デメリット2:採用方法は外国式

当然ながら、日本の履歴書や職務経歴書はほとんどの場合、使えません。「CV」や「レジュメ」などと呼ばれる英文の文書が求められることが多いと思います。また、リファーラルと呼ばれる第三者の推薦のようなものが必要になったりします。

これらについては都度、文書を作成したり、人にお願いしたりする手間がかかります。

私自身もCVの提出やリファーラルを求められたりしました。CVは以前に作ったものを更新し、リファーラルは知り合いにお願いしました。

海外で働いたことはありませんが、翻訳学校で英文の選考用書類について講座を受けたことがあり、CVはそのときに作成したものをベースにして内容を更新して使っています。

ちなみに正直なところ、この講座は受けようと思って受けたものではなく、翻訳学校のコースに組み込まれていたのでその流れで受けた講座でした。

なので、こんなところで役立つことになろうとは思ってもいませんでした。翻訳学校のコースが国際市場まで見据えていたのかどうかというのも今となってはナゾですが、とにかくとても役立ちました。

でも、たぶん大事なのは形式よりも中身です。書いてある英語が多少ヘンでも、形式が多少間違っていても、やはり中身で判断されるのだと思います。

デメリット3:支払いが外貨

これもデメリットではないかもしれませんが、取引では多くの場合、外貨を扱うことになります。

日本の銀行口座間の振込と比べると送金時の手数料がかかると思います。また、少額の場合は、Paypalなどを使用したりもするので、口座を作っておく必要があります。

そして経理でも為替差益や為替差損を計算することになると思うので、自分で帳簿を付ける場合は都度計算が必要になります。

その辺も考慮して取引する必要が出てきますので、為替の影響を考えるということになります。

まとめ

海外の翻訳者向け登録サイトを利用するうえでのメリット・デメリットを中心に書いてみました。

デメリットの項目の方が多くなってしまいましたが、対応が必要になる内容であったり、考慮するべき内容であったり、必ずしもデメリットになることばかりではありませんので、考え方しだいなのだと思います。

自分のチャンスになるように活用したいものです。

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